スタディツアーのつくり方|企画から実施・振り返りまでの手順

学生団体、NPO、学校、企業、地域グループなどが、自分たちでスタディツアーを企画することもできます。ここでは、企画から振り返りまでの基本の流れを整理します。

STEP 1:目的とテーマを決める

「誰が、何を、なぜ学びたいのか」を言葉にします。テーマは広すぎず、たとえば「地域の防災の取り組み」「フェアトレードの生産現場」のように具体化すると、訪問先を選びやすくなります。

STEP 2:現地パートナーを探す

  • 現地で活動するNGO・NPO、自治体、農協・漁協、大学、語り部団体などに相談する。
  • 先方の負担を考え、受け入れ可能な人数・時期・謝礼や費用負担を最初に確認する。
  • 「見学させてほしい」ではなく、先方にとっての意義(活動の発信、交流など)も話し合う。

STEP 3:日程・予算を組む

費目確認すること
交通費航空券・鉄道・貸切バス。団体割引の有無。
宿泊費人数、部屋割り、民泊の場合の受け入れ条件。
食費・活動費講師謝礼、見学料、通訳費など。
保険海外・国内旅行傷害保険、賠償責任。
予備費天候や遅延に備え、全体の1割程度を見込む。

STEP 4:旅行業法を確認する

参加者から旅行代金を集めて、運送や宿泊を手配して催行する形は、「募集型企画旅行」にあたり、旅行業の登録が必要になる場合があります。登録のない団体が行う場合は、次のような方法が一般的です。

  • 旅行会社に手配・催行を依頼し、団体は企画・募集の協力に徹する。
  • 参加者が各自で交通・宿泊を手配し、団体は「集合して学ぶプログラム」のみ提供する。
  • 実費の割り勘にとどめ、営利性のない範囲で、仲間内の旅行として実施する。

どの形が適法かは、事業の態様によって異なります。実施前に、観光庁や都道府県の窓口、旅行会社、専門家に相談してください。

STEP 5:安全管理とルールづくり

  • 外務省の海外安全情報を確認し、危険情報のある地域は避ける。
  • 緊急連絡網、保険、持病・アレルギーの把握、集合・解散の手順を決める。
  • 撮影・SNS投稿・現地の人への接し方のルールを事前に共有する。

STEP 6:事前学習と事後の共有

出発前に勉強会を開き、現地の歴史や状況を学びます。帰国後は報告会、レポート、写真展などで学びを共有し、現地パートナーにも成果を届けます。

応用編:ツアーで終わらせない「4ステップ型」の企画

福島の「キモチ、あつまるプロジェクト」(UR都市機構)は、「感じ、考え、関わり、再び訪れる」という流れで、ツアーを約半年のプロジェクトにしています。この流れをヒントに、自分たちのスタディツアーを企画する手順を考えてみましょう(上のSTEP 1〜6に重ねて使えます)。

① 感じる:現地で出会う(ツアー)

  • 伝承施設や現場の見学だけでなく、地元の人の話を直接聞く時間をつくる。
  • 食事や夜の交流など、肩の力を抜いて話せる場を入れる。

② 考える:地域のお題から企画を考える(事前・事後の会議)

  • 企画のお題は、参加者ではなく、現地の人に出してもらう。「いま困っていること」「やってみたいこと」を数個、事前にもらう。
  • ツアー後は、オンライン会議で、数人のグループに分かれて企画を練る。日程を決めて、毎月のペースで続ける。

③ 関わる:地域の人と一緒につくる(発表と伴走)

  • 現地側にも伴走役(相談役)を置き、参加者が一人で悩まない仕組みにする。
  • 発表の場を現地に設け、地元の人から意見をもらって企画を直す。

④ 再び訪れる:実施して、現地に返す

  • 企画を現地で実施し、結果を報告する。成果は、現地の人にも使える形(資料、イベント、道具など)で残す。
  • 終わったあとに、現地の人と参加者の双方の振り返りを行い、次の年度につなげる。

進めるときの注意

  • 複数回の訪問になるため、交通費・宿泊費の総額と、参加者の負担を最初に示しておく。
  • お題の提供者に、謝礼や費用負担、企画の成果の扱いをあらかじめ相談する。
  • 参加者から旅行代金を集めて手配する形になる場合は、上の「STEP 4:旅行業法を確認する」を必ず確認する。
  • 被災地や地域の生活の場を訪れる場合は、撮影・SNS投稿のルールを事前に共有し、地元の人への敬意を忘れない。

※「感じ、考え、関わり、再び訪れる」はUR都市機構のプロジェクトのテーマです。当サイトは、この流れを参考に一般的な企画手順として紹介しています。

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